Mac OS Xセーフブート(セーフモード)
〜セーフブートの内容と、実際の使用方法紹介〜

Mac OS Xのメンテナンスを行うのに、様々なツールが市販されています。

これらを使ったMac OS Xのメンテナンスを皆様は色々とおやりになっていることと思います。AppleもMac OS Xに、ユーザが自分でコンピュータのメンテナンスが出来るように、さまざまな機能をつけています。その中には一般のユーザには、あまり知られていない機能もあります。

ここでご紹介しようとしているセーフブート、あるいはセーフモードと呼ばれる機能も、非常に有用でありながら知られていない物かもしれません。ここでは、Mac OS Xのトラブルを直すのに使う、Appleが標準で装備させているツールの簡単なご紹介と、このセーフブートの内容と、実際の使用方法、をご紹介します。

ツールの詳細な使用方法は、別のアーティクルに順次掲載してゆきますのでそちらをご覧下さい。


■標準装備のディスクユーティリティ

Mac OS Xには標準でディスクのメンテナンスをする、「ディスクユーティリティ」がついていますので、それをお使いになっていらっしゃる方もいると思います。

 

通常のディスクユーティリティはアプリケーションフォルダの下のユーティリティの中に入っています。

このユーティリティを使えばハードディスクに関連する様々な設定やメンテンスを行うことができます。詳細は別のアーティクルを見ていただくとして、ここでは簡単に触れておきます。

 

さて、このディスクユーティリティ。 ……起動すると判りますが、中に入っているFirst Aidを使うと、起動ディスク以外の修復を行うことは出来るのですが、起動ディスクの修復は行えません。

一般的にディスクが1つの場合、そのディスクの修復をこれで行うことが出来ないと言うことになります。

実はこのディスクユーティリティ、インストールディスクの中にも入っていて、Mac OS Xのインストーラを起動しますと、途中で出てくる「インストーラメニュ」の中からも呼び出すことが出来ます。

ですから、ディスクユーティリティを使用して起動ディスクの修復を行いたい場合にはインストーラCD(もしくはインストーラDVD)を使用して、起動し直し、それからこのユーティリティを使うことが出来ます。


■シングルユーザーモード(SUM)

Mac OS Xはマルチユーザーモードで常時動作していますが、ある操作を行うことによってシングルユーザーモードSingle User Mode(SUM)で起動することが出来ます。このシングルユーザーモードでは、グラフィカルユーザーインタフェースは使用できなくなり、ユーザはコマンドラインからの入力で操作を行うことになります。

このSUMの中に「fsck」というツールがあります。UNIXで標準装備されるディスクメンテナンスツールです。

このfsckを使用すると、起動しているディスクでもメンテナンスを行うことが出来ますので、起動CDとかが無くてもその場で修復をすることが出来ます。

しかしながら、このシングルユーザモードそのものが、一般の方向けではなく、ビギナーにはそれだけでパソコンが嫌いになる十分な理由になるぐらい、「わけがわからない!」物に見えてしまいます。

それぐらい、一般向けではありませんので、ここでも、実はそういうツールが標準で用意されているのだ、という程度にとどめておきます。SUMへの入り方などは、別のアーティクルにまとめたいと思いますので、そちらをご参照下さい。


■セーフブート

上記2種類のツールは、標準でMac OS Xについてきました。しかし出張先であったりすると、(外付けの起動用HDDやCD,DVDなどの)起動ディスクなど持ち歩いていないことが多いでしょうし、あるいはビギナーの方には、こういった修復方法そのものが難しく感じられます。もちろんSUMは、もうお手上げでしょう。

そこで、AppleはMac OS X 10.2から「セーフブート」機能を設けました。このセーフブートによって起動した状態を「セーフモード」と呼びます。

セーフブートを行うと、まず最初にMac OS X は起動ディスクのメンテナンスを行います。その後、OSの各種機能の内、起動に必要な最低限の物だけを有効にし、それ以外は使用せずに起動します。そして、最後にApple自身によってインストールされた起動項目だけを起動します。

これによって、強制的にディスクユーティリティ、あるいはfsckを使用したのと同じ状態になります。ですから、先の二つのツールが利用できないときには、このブートを行うと、ディスク修復が行われることになります。

また、ディスクのトラブルではなく、その他に原因がある場合でも、必要最低限のカーネルエクステンションだけで起動しますので、それまで起動できなかったり、何かトラブルが出ていた場合でもセーフブートで有れば起動できたりします。

もし、これで起動できればMac OS Xそのものの問題ではなく、あとからインストールしたりアップデートしたソフトウェアの問題と言うことが出来ますから、切り分けもやり易くなりますね。


■セーフブートの詳細

では、セーフブートの中身をご紹介してゆきます。

まず、セーフブートモードに入ると、ブートボリュームののディレクトリチェックを行います。そして、問題が有れば、その修復を行います。

これは、キャンセルすることが出来ません。セーフブートすると、強制的に実行されます。

このため、大容量ディスクをブートディスクにしている場合、あるいは、大量のファイルがブートディスクに入っている場合には、セーフブートによる起動には、非常に時間が掛かることになります。

ディスクチェックが完了すると、次にカーネルエクステンションの種類を限定して起動シーケンスを続行します。カーネルエクステンションはApple製の物ばかりとは限りません。サードパーティ製の物や、もともとのUNIXのシステムとして用意されている物など様々ですが、このセーフブートの時には、この元々OSに組み込まれているエクステンションの中から機能限定で使用されます。これはこのエクステンション作成時に決められていることなので、あとからユーザがいじることが出来る物ではありません。

またMac OS 9の機能拡張OFFとは違い、最低限ロードされるエクステンションの数はかなり多く、ネットワークなどの機能制限はされますが、有る程度の機能が利用できるモードとして起動します。

そして、基本部分の起動が完了すると、起動項目を起動します。起動項目はログイン項目とは異なります。ログイン項目はユーザがログインしたときに自動的に毎回起動したいアプリケーションなどを登録しておいて、自動起動させるための機能のことです。セーフブートの起動項目とはこのログイン項目とは異なり、Mac OS Xの各種サービスを起動するための物です。

サードパーティなどのアプリケーションやユーティリティでは、Mac OS X上で専用の機能を常時使用できるように、この起動項目に登録して利用することがあります。多くの日本語漢字変換プログラムなどはこの機能を利用していると思われますし、その他にもPDAとのシンクロなどでもこれを利用しているものがあります。

セーブモードではこの起動項目の内、Apple純正の物だけに絞ります。他社製の物はすべて切り離されると言うことです。


■セーブブートの実行方法

セーフブートは起動時、あるいは再起動時に起動音が鳴ったあと、Shiftキーを押しっぱなしにします。Mac OS 9での機能拡張Offと同じ方法です。

画面がグレーになり、歯車のアイコンが画面中央、下の方で回り始めたら、キーをはなしても大丈夫です。ディスクの容量やディスクの中にあるファイルの数にもよりますが、だいたい3〜10分程度はこの歯車が回り続けます。非常に時間が掛かるので心配になると思いますが、大丈夫です。そのまま待っていて下さい。この間Mac OS Xは画面の裏側でディスクチェックを行い修復を行っています。

ディスクの修復が完了すると、上記のような画面が現れ、一番下に「セーフブート」の文字が現れるので、確認することが出来ます。

その後、通常通りデスクトップが現れ起動が完了します。この時点でディスクの修復は完了していますので、何もせずそのまま再起動すると、今度は修復の完了したディスクでいつものようにMac OS Xが起動することになります。

また、セーフブートで起動できたと言うことは、Mac OS Xの基幹部分に問題がないことを示していますので、トラブルの場合の切り分けには非常に有用です。

このように、セーフブートを用いますと、ビギナーさんや、起動ディスクがないときのトラブル修復に非常に効果があります。もし、ディスクトラブルと思われるような症状がでたMac OS Xがあった場合には、何も言わずShiftキーを押してセーフブートしてあげて下さい。もしかすると、それだけで治ることはおうおうにして考えられますから。



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