Mac&Winのパソコンレスキューでおなじみの、シトラス プレゼンツ・・・
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  シトラスメールマガジン「柑橘系林檎新報」 192
                          2006.3/15
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             今週のシトラス
 
  いろいろ書こうと思いましたが、あることでふっとんでしまいました。毎週Macで録音し、
 iPodで聞いていた、ZIP-FMの看板番組「ZIP HOT 100」の小林克也さんが3月いっぱいで、
 番組を降りるそうです。克也さんの都合ならしょうがないですが、局側の
 「そろそろ新鮮な企画を」なんていう発想なら、愚かな事です。
 
 私など、iPodの主な使用目的が無くなったので、今のが壊れても次のは買わないかもしれません。
 散歩の時何を聞きゃいいんだろ?おじ(い)さんにしては、最近の曲についていけたのも、
 この番組があったからです。克也さんが歌詞の意味を教えてくれなかったら、
 エミネムのラップなんて絶対に認めなかったと思いますし。
 
  ともあれ、克也さんお疲れさまでした。
 ZIP-FMのえらいひと、事情はよくわかりませんが、4月から局全体のパワーが落ちてしまったと
 感じたら、すぐに三顧の礼でもって、もう一度克也さんを呼びに行ってくださいね。
  
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             ヤドカリの貝殻 2006.3/15
 
               「究極の電池?」
 
  最近テレビでCMの始まった、サンヨーの「エネループ」。随分不思議なコマーシャルですよね。
 充電式だから、資源の無駄遣いにならない、エコロジーな時代に合う電池だと言う事は判りますが、
 充電池なら今までだってあるじゃないですか(これ若い人たちが、丁寧な表現だと思ってる
 タメ言葉(笑))、どこが違うんでしょ?
 気になってホームページを覗いてみました。えっ?!むむむ、これはただ者ではない。
 
  私、かって充電式単三乾電池を大量に使う趣味に、はまっていた事があります。
 子供のおもちゃのつもりが、親父がはまってしまったと言う・・・。
 「ミニ四駆」であります。このおもちゃはなかなか奥が深く、駆動部分の「馴し」が重要な
 要素でしたが、あまりにも技術が進んでしまい、「抵抗抜き」と呼ばれる徹底的に摩擦を少なく
 したマシンが主流になって、到底子供には太刀打ちできなくなって、衰退したのでした。
 電池に関しても、大人はラジコン用の充電器を使ったり、特性の似たセルを2個選んだり、
 贅沢な事でしたが、子供は子供で知恵を絞って、寒い日には電池を人肌で暖めたり、豆電球で
 放電したりしていました。この放電は、当時使われていたニカド電池の特性として、充電を
 繰り返すと、次第に充分な量の充電が出来なくなる「メモリ効果」という現象を防ぐためでした。
 田宮模型は、子供たちのために高性能の高速充電器と、放電機を安価で用意し、この面では
 子供たちも恵まれた環境にありました。
 「8時間耐久」というかなりむちゃな大会を開いた事があります。シトラスでラップカウンターを
 制作していただき、実際に8時間の周回数を競うと言う、大変面白い大会でしたが、この時、
 各チームが使っていい電池の数と充電器の数を制限したため、電池管理が重要な勝因になった事を
 覚えています。8時間も全力でモーターを回すと、電池がへたってくるのです。
  この趣味から得た知識としては、充電池の管理はかなり難しいという事。2個のセルを同じ様に
 充電して、同じ様に放電という事を厳密に守らないと、マシンは性能を発揮しない。当時私は、
 10セット程持っていた電池に数字を書き込み、2個セットで管理していました。それでも、
 早く駄目になるセットもあり、それが面白くもあった訳です。
 
  この当時はニカド電池でしたが、ニッケル水素電池になっても「メモリ効果」は残りました。
 ニカド電池やニッケル水素電池は、PowerBookにも使われましたね。当時「バッテリマネージャー」
 でしたか、電池の管理をするユーティリティーがMac OSにはあり、バッテリーの完全放電と
 再充電をして、リフレッシュを月1度程していました。
 「メモリ効果」が問題なくなったのは、リチウム電池からです。そういう意味ではリチウム電池は
 理想の充電池と言えますが、充電の管理が難しく、専用の充電器が必要なために、気軽に単三型を
 という訳に行かないのが玉にきずです。
 
  今回のエネループは、ニッケル水素電池なのですが、従来のものとは違い、メモリ効果は、
 ほとんど問題にならない程低減され、1000回の充電が可能(しかもつぎ足し充電OK)。パワーも
 増加した上、その落ち方は緩やかで、最後まで一定のレベルを保つ(最後にがくっと落ちる特性が
 あるので、ゲーム機などでは、気をつけないとセーブする間がないかも)。何より驚くのは
 一回充電すると、使わずにしまっておいても、すぐ使う事が出来る。つまり、店頭で買った
 エネループは普通のアルカリ電池の様に、すぐ使えるのです。
 使いやすさの点ではリチウムを凌ぐのではないかと思います。
 リチウム電池を使うために、携帯はもちろん、デジカメなどでも、その機体専用の充電パックを
 用意し、機種が変わると電池に互換性がない事が当たり前な最近ですが、乾電池型の巻き返しが
 始まるのかも知れません。
 私は近くの安売りスーパーで、4個1380円で買って来ました。これを家中の乾電池を要するモノに
 使えば、最初の投資は大変ですが、結果的にはかなりのコスト減になると思います。
 電池の専門家でもある弊社の毒林檎氏によると、この電池はニッケル水素電池の一つ一つの部分を
 徹底的に見直し、総合的に性能を高めて行った結果生まれた、特許の固まりのような製品、
 という事だそうです。ニカド充電池「カドニカ」以来、ずっと乾電池型充電池にこだわり続けた
 サンヨーがついに大輪の花を咲かせた。という感じでしょう。従来のサンヨー製充電器がほとんど
 使用可能な事も、重要な事だと思います。
 
  私は、電力が通貨の代わりとなる未来を夢想した事があります。完璧な充電池が発明され、
 人々は労働の対価として、自分の充電端末に電力を得る。バスに乗るときには端末を差し込む事で
 バスを動かす。50ワットでキャベツを買う。子供たちは手っ取り早く小遣い稼ぎに自転車をこいで
 電力をためるという完全自給型社会です。エネループで、また一歩近づいたのかも?と思います。
 
  これだけの性能を持った電池なら、すでにあったものなのに、まるで全く新しいコンセプトで
 ある様なCMを打つのは許されます。サンヨーの言う壮大な環境保護プロジェクトのためには、
 従来の充電池では無理でした。エネループなら
 1000回の充電が可能だから。
 懐中電灯の中で使われないで眠っていても、いざという時には、何事もなく明かりをともすから。
 狂いなく時計を動かし続けるから。
 今サンヨーは大変苦しい時期だそうです。いくつかの部門を整理しなくてはいけないようですが、
 このエネループの様な画期的な製品を軸に、ぜひ甦って欲しいものです。
 これだけの技術を持つ企業が、万一外国企業の手に渡ってしまったら、日本の工業はもう終わり
 かもしれません。
  
  とりあえず家のペンタックスに入れましたが、白い電池はいかにも普通の電池と違う感じです。
 (ま、外観しか違いは判りませんが(笑))
 単三電池を夜中に今すぐ使いたい。くそっ!100均で買えば安いのに買い置きしてない。
 仕方ない、高いけどコンビニで買うか。
 なんて時に、エネループがコンビニにおいてあったら、いっそこっちを買ってはどうでしょう?
 値段は恐らく5倍以上でしょうが、何回も充電可能だし買ってすぐ使えるのは乾電池と同じです。
 
  家計の出費を軽くし、地球に優しく、サンヨーを救済出来、未来のエネルギー政策の規範にも
 なり得る可能性をもつこの新製品を、応援したいと思います。
  
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               シェフのおすすめ
 
                「写真の力」
 
  相原コージだったか吉田戦車だったかの漫画に、こんなのがありました。
 「この八百屋のおばちゃんは、物理学の高等教育を受けていたら、アインシュタインを凌ぐ
  大発見をしたはずのおばちゃん。でも高等教育受けてないから、ただの八百屋のおばちゃん。」
 
  昔々、あるところに農家のおばちゃんがおりました。おばちゃんの旦那さんは、戦争に行って
 帰って来ませんでした。おばちゃんは、女手ひとつで子供たちを育て上げ、ようやく
 おばあちゃんになり始めるところでした。ああ一安心、これからゆっくり故郷で老後を過ごそう。
  ところが、とつぜん故郷がダムの底に沈む事になりました。
 当然腹が立ちます。反対運動をしたいとも思いました。でもどうにもならない事でした。
 でも、このまま村がダムの底に沈む前に、何かしておかなければならないのではないか?
 おばちゃんは考えます。
 「もし、うちの人が戦争から帰ってきたとき、村がダムの底に沈んでいたら、
   何も見せるものがない。」
 
  おばあちゃんは、居ても立っても居られなくなり、近くの街のカメラ屋に飛び込みます。
 「イラ(私)でも写せるカメラをおくれ。」
 カメラ屋の若い店員はこういいました。
 「これは猫がけっころがしても写るカメラだよ。」
 店員が差し出したのは、コニカC35EF、通称「ピッカリコニカ」だったのです。
 
  コニカの開発者、内田康男さんは、各地のラボを回り、普通の人々が撮ったネガをつぶさに
 調べました。その結果、カメラの性能が上がって来たにも関わらず、撮り損ないが実に多い事に
 気がついたのです。ほとんどが露出不足、つまり光量が足らない写真でした。
 この頃のカメラはすでに露出が自動化されていたのにどうした事か?
 実は、ストロボを使っていれば避けられた失敗がほとんどな事に、内田さんは気づいたのです。
 こうしてストロボ内蔵のカメラの開発が始まりました。ストロボとレンズが近いため、被写体の
 目が赤くなる「赤目現象」が最後まで開発陣を悩ませました。またストロボの消し忘れで電池が
 すぐ無くなる事も深刻でした。延々と続く開発会議の末、一人が、
 「あ、ストロボをポップアップさせて、それがスイッチを兼ねれば。」と思いついた時の、
 全員の興奮状態を、内田さんは忘れる事ができないと語っています。
 暗いときにはストロボを使えばいいので、その頃としては暗いF=2.8のレンズを使う事になりました。
 その頃は、まだISO400の高感度フィルムがありませんでしたので、当時ハイスピードレンズと
 言われた、なるべく明るいレンズ=速いシャッタースピードを使える1.8位のレンズを
 ファミリーカメラでも装備するのが流行でした。
 しかしこの暗いレンズ。F値を上げるため無理をしていない設計のヘキサノン2.8が、後世に残る
 美しい写真を残す事になるのです。
 
  世界で初めてストロボを内蔵したC35EFは、こうして世に出ました。
 ピッカリコニカは大ヒットし、沢山の家庭に届けられ、沢山の美しい思い出を残しました。
 そして、その1台が、徳山村の61歳のおばあちゃん、増山たづ子さんの手に渡されたのです。
 
  増山さんは故郷の写真を撮り始めました。移り変わる四季、農村の生活。山里に暮らす寡黙で
 心優しい人々。子供たちの学校。
 この村がダムに沈むのを残念に思う人々によって、静かに増山さんの写真たちは広まりました。
 有名な写真家や報道カメラマンがこの村にやって来て写真を撮りましたが、風景も人物も、
 増山さんの写真程優しく写りません。それはカメラの後ろにおばあちゃんがいることで、
 写るものが緊張しないからですし、故郷を愛する増山さんの心、故郷を失う悲しみが、写真に
 込められているからでしょう。
 そして、なんの変哲もないファミリーカメラと思われていた隠れた名機、コニカC35EFも、
 おばあちゃんに最大限応えました。増山さんは言っています。
 「このカメラで撮った写真は、写真展用に畳2畳ぐらいに引き延ばしても大丈夫。」
 
  先日増山たづ子さんは88歳でダムに沈んだ村を見る事なく永眠されました。61歳からカメラを
 持ち、撮った写真8万枚。
  そのわずか数ヶ月前、コニカミノルタはカメラ事業からの撤退を発表しました。
 
  お名前で検索して、写真集から何枚かの写真を転載しているHPを見つけました。
 どれも一片の気負いもない、優しい心の溢れた写真でした。
 文部省唱歌に歌われる様な、山間の農村。ダムに沈むのでなければ、これほど沢山後世に
 残る事のなかった、普通の風景、普通の人々。それを増山さんは撮りたかっただけなのでしょう。
 
  そして写真技術なんて小さいものを超えて、日本写真史に残る名写真家となった、
 「普通のおばあちゃん。」
 私は写真を趣味とするものとして、この写真集を座右に置きたいと願っています。
 そして皆様にもおすすめします。
 自分の心の中にある「日本」を大切にするために。
  
 ☆増山たづ子 徳山村写真全記録  ¥3,675(税込)
 
 
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 ノートパソコンのデータが読めなくなった!
 ウィルスにやられた!など、MacもWindowsもシトラスがなおします!
 多くのご要望にお応えしてWinでも「さすがシトラス」といわれる仕事をします!
 例えばディスクレスキューは¥15000から。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。
 
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