Mac&Winのパソコンレスキューでおなじみの、シトラス プレゼンツ・・・
 ====================================================
  シトラスメールマガジン「柑橘系林檎新報」 297
                          2008.6/23
 ====================================================      
 
             今週のシトラス
 
  もうすぐ北京オリンピックですが、野球ではプロ野球の各球団から星野監督が
 指名して、若手を中心に有望選手がごそっと抜けます。
 しぶしぶ選手を提供していたかつての状況を考えると、その協力ぶりは素晴らしい
 ですが、もう試合期間中はプロ野球全体を休んでもいいんじゃ?と思います。
 
  テレビドラマ「おせん」が今週で最終回。結構面白かったけど原作ファンには、
 「残念な改作」と評判が悪かったので、漫画喫茶で原作を読んでみました。
 確かに原作の方が面白い。しかもこのマンガはとても映像的で、このままドラマ化
 して全く無理がないのですが、なぜテレビドラマにすると、わざわざ納得の
 いかない筋に改作するのでしょうか?なんかドラマ造りの側に、
 「変えないと仕事した事にならない。」というこだわりがあるのでしょうか?
 どうも数人の脚本家が交代で担当した様で、他の作家と違う所を見せようとして
 訳がわからなくなってしまった感じです。
 蒼井優のおせんさんは、原作とは少し違いますが、好演だと思いましたので、
 なるべく原作どおりをポリシーでやった方が、いい評価が得られたと思います。
 「のだめ」で出来たのですから、できないはずはないと思うのですが・・・。
 
 
 ———————————————————————————————————
 
           ヤドカリの貝殻 2008.6/23
 
              「現実逃避」
 
  野生状態の人間という種は、精々生きて50歳位が精一杯の寿命で、色々な楽しみを
 持つ事でうまくストレスから逃れて、長寿を保つ様になったと聞いた事があります。
 現代では当然様々な楽しみが用意されておりますが、古代からある楽しみ、
 「酒を飲む。」は私は封印してしまいましたので、後はネットをやるとか、読書とか
 面白そうな映画やテレビドラマを見るとか、そんな事をして過ごしております。
 
  最近雨が多くてあまり地下鉄を利用していませんが(カッパさえ着れば、雨の日は
 バイクの方が楽)、通勤電車の中と言うのは、結構なストレスですよね。始発駅の
 おかげで座る事は出来ますが、寝てしまうと乗り越して遅刻しそうなので、約30分間、
 何かをしていないと間がもてません。岸部シロー氏が出ている携帯ゲームのCMが
 ありますが、あんな感じですね。
 
  3月まではNHKの朝ドラを熱心に見ていましたので、携帯で見られる動画形式にして
 電車の中でも見ていましたが、それも半年分見てしまい、ちょっと本が読みたく
 なりました。相変わらずお金がありませんので、図書館で借りる事にしていますが、
 借りてみて手元に置きたくなる本は、amazon.comで中古本を買う事にしています。
 中古価格が1円とか言うのもありますが、送料が340円と言うのが多いので、文庫本
 とかだと、あまり割安感が無いのですが、メール便で勝手に郵便受けに放り込んで
 くれるので楽です。
 
  読む本はラノベばっかりで、最近面白かったのは、
 「鬼切り夜鳥子(おにきりぬえこ 桝田省治)」
 これは、普通の女子高校生に鬼が乗移って、悪鬼と戦うと言うありがちな筋ですが、
 なかなかスケールの大きい設定で、時代伝奇系小説であると同時に青春恋愛小説と
 いう、なかなか凝った作りです。作者は有名なゲームデザイナーということで、
 私はその辺のオタクではないので存じ上げなかったのですが、やはりゲームの
 デザインと言うのは、小説を作るのと共通点が多いと思います。ゲームでは
 セリフ数に制限がありますので、この人の小説のセリフも無駄がなくいいテンポで
 進みます。本業の負担にならない程度に今後もいい小説を書いて欲しいものです。
 
  今は、大変評判のいいシリーズ、
 「ゼロの使い魔(ヤマグチノボル)」のシリーズを呼んでいます。主人公が異界の
 魔物を召還し、使い魔として使役する話は古今東西良くありますが(安倍清明の
 式神とか)、このストーリーは、普通の日本の高校生が中世ヨーロッパ風の異世界
 (魔法使いが貴族の)の少女に使い魔として召還されてしまうと言う、逆転の発想
 に基づいた話で、これも作家の才能を感じる話です。
 
  前にもご案内しましたが、このラノベ=ライトノベルという分野、なかなか
 子供だましと侮れないものがあります。
 ちょっと想い出話をいたしたいと思いますが、私が小学校高学年→中学校の時、
 「ボーイズライフ」という雑誌を毎月買っておりました。
 これは、記事と読み物を中心にした少年向き雑誌で、巻頭のグラビアは精々水着の
 お姉さん(当時は「小山ルミ」さんなどが、活躍しておられました)。
 小説は明るい学園小説が多く、少年の興味に合わせてちょっとH(というよりは、
 健康的?なお色気。これは最近のラノベにも踏襲されています)なのもありましたが、
 可愛いものでした。当時の少年達はSFに大変興味を持っており、小松左京や筒井康隆
 といった、当時の人気作家が短編を寄稿したり、ショートショートのコンテストを
 開催しており、この中からその後のSF作家が何人も生まれたと言われています。
 この雑誌はその後廃刊してしまいましたが、この数年に私は色々な活字文化に触れる
 きっかけが出来たと思います。
 
  少年・少女小説と言うものはいつの世にも存在し、いわゆる子供だましも
 ありますが、中にはその時代時代の「教養」としての小説の枠を外れて、巨匠と
 言われる人たちが、自由な発想を楽しむ為に少年・少女小説の形態を取る場合も
 あり、また本格作家の登竜門的な意味合いもあります。
 少女小説のプラットフォームとしての少女雑誌は、現在も多くの購買者をもって
 おりますが(年齢層を分けていますが、発行者が想定している年齢より、いつも少し
 若い層が読者な気がします。例えば中学生が良く読む「セブンティーン」(笑))、
 純然たる少年向け雑誌は、この「ボーイズライフ」以後、姿を消してしまいました。
 マンガ誌がその受け皿になっている気がしますが、このままでは、男子は活字を
 読まなくなるのではないかと危惧さえしてしまいます。
 ライトノベルも、「集英社コバルトシリーズ」などは完全な「女の子向け」の
 イメージがありましたが、最近の戦略※が効を奏して、男子がラノベを読む事は
 不思議ではなくなりました。その点では「凉宮ハルヒ」シリーズの功績は大変
 大きいと思います。
 
 ※ライトノベルの各文庫は、有望な新人をコンクールで発掘し、文庫本を発売する
  際に、予め表紙絵や挿絵にアニメ的な外観を持つキャラクターを設定してしまう。
  文章から「どんな子だろう?」と想像する小説特有の楽しみはないが、読者の
  イメージにぶれが無くなる。さらに評判がいいと、そのキャラクターどおりの
  漫画化や、アニメ化、ゲーム化にすすむ。「凉宮ハルヒ」シリーズの場合、
  小説はラノベ固有読者のみの評判だったが、深夜に放映されたアニメから火がつき、
  「ニコニコ動画」で二次製作作品が無数に投稿された為、決定的に人気が出た。
  最初は「ハルヒを知ってる」というとオタク扱いだったが、現在では深夜の
  テレビも見ず、ネットもしない小学生も知っている。
 
  私は漫画も大好きですが、活字の並んだ本から情報を得る、という行為は例え
 息抜き、娯楽であっても、漫画やゲームからは得られない脳への刺激があると
 思います。
 若い世代の活字離れを防ぐ為にも、おじさんのボケ防止のためにも、こういう
 楽な読み物は役に立ちます。読書感想文を書かされない読書は大変楽しいのです。
 若い頃、本を読むのはどうも苦手だったという方も、こういう男の子と女の子が
 ののしり合いながら、仲良くなる(こんなのばっかり(笑))という設定の
 お話は、年寄りでも心躍るのです。
 電車の中で、資格取得関係?の本や経営ノウハウの本などを読んでいる方が
 居られますが、もっと楽しい本を読めばいいのに・・・と思います。
 
  現実逃避をしなければならない程辛い現実と言うのも悲しいですが、実際そんな
 場合があるのなら、出来るだけ綺麗に、その時間だけ逃避すべきです。それは
 ゲームでもマンガでもビデオでもいいのですが、小説は私にとっては、より
 入り込みやすいのです。思えば人生の辛い時期には、いつも小説を読んでいた
 気がします。池波正太郎の時代小説とか・・・。
 
  人間は辛い時に現実逃避する事で、破綻を避ける動物ですので、どんなに
 趣味にのめりこんでも、現実と仮想現実の区別がつかなくなる事はないと思います。
 区別がつかなくては逃避になりませんので。
 
 
 ———————————————————————————————————
 
             シェフのおすすめ
 
             「これ、フォント」
 
  昔から欧米にはタイプライター文化がありましたが、文字数の多い日本語では、
 「かなタイプ」か精々活字選択式の和文タイプ※が精々で、欧米の映画に出て来る
 キーを猛烈な勢いで打ち込むタイピストの姿を驚嘆して見ていただけでした。
 
 ※活字がびっしり詰まった箱の上にハンドルの様なものがあり、文字を選んで
  ガションと下ろすと、下の紙に印字されると言う、独り印刷所(笑)。
  あまり使わない活字とか、第二水準とかは別の箱に取り替えて打ったりしていた。
  民生用ではなく、オフセット印刷の原稿用などによく使われていた。
 
 1978年には東芝が初の日本語ワードプロセッサー「JW-10」を発売しました。
 価格は630万円。4年後にはコンシュマー用の「JW-1」が発売され、初めての
 50万円を切った機種として注目されました。
 私がJW-1を購入したのはそれから数年してからで、それでも25万位したと思います。
 字が余りにも汚かった事が理由でしたが、職場では一番早かったのです。
 この機種は液晶が2列分しかなく、1列は選択候補などの情報用でしたから、
 実際には1列しか文字が打てませんでした。出来上りは横に別に液晶があり、
 レイアウトだけが表示されるのですが、私の買った廉価版はそのレイアウト用の
 液晶が省略されたバージョンでした(汗)。
 今から考えると信じられない低機能/高価格ですが、この当時は
 「電子機器は、高価な物」と言うのが当然でしたので、ローンで買った覚えが
 あります。まあ独身貴族時代のリッチな想い出です。
 
  JW-1では、文字は1種類。そして文字修飾は太字とか、倍角のみでした。
 倍角、半角と言う言葉は今でも時々使われますが、倍角は元々あるフォントを
 横に引き延ばした字体。文字列を表示する液晶が1列しかないための苦肉の策だと
 思いますが、それ以後専用ワープロの世界では、文字を大きくすると言えば、
 この倍角の事でした。
 このころの専用ワープロや初期のパソコン用ワープロソフトは、文字をドットで
 作っていましたので、拡大すると当然線が荒く、ギザギザになります。日本語は
 文字数が多く、フォントを作るのは大変なのですが、滑らかで大きな文字を
 印字する為には、大きい文字のフォントを同じ数だけ揃えなければならず、
 細かい対応が難しいという問題がありました。
 
  滑らかなフォントとしては、1984年にAdobe社が「Postscript」という技術を
 発表しており、印刷業界などでの利用され始めていましたが、コンピュータの
 フォントにとって真に画期的な出来事は、Apple社のTrueTypeでした。
 
 PostscriptやTrueTypeは文字をドットで作るのではなく、Macが最初から持って
 いたドロー描画(方向と距離を指定してコンピュータに線を描かせる)の考えを
 発展させた描画方式を使っています。ですから、字を大きくしてもなめらかな
 結果が得られます。PostscriptとTrueTypeの違いは、Postscriptがディスプレイ
 表示用のフォントで大雑把に表示し、プリンタ自体にフォントを持ち、Macから
 データを送った後、プリンタ側で計算して印字するのに対し、約5年後の1989年に
 登場したアップルのTrueTypeは、コンピュータ側にフォントを持ち、全て計算して
 普通のプリンタで印刷するという事です。
 これは、1984年がMacintosh初号機の発売年であるのに対し、1989年はCi。つまり
 CPU能力がこの5年で飛躍的に進歩した事を物語っています。
 「印刷業界はMac」の基礎ができた時代でした。その後TrueTypeはMicrosoftにも
 技術供与され、TrueTypeとその発展系であるOpenTypeは現在も印刷業界の
 スタンダードとなっています。
 チラシや雑誌の編集の場合、現在は写真や図の入ったページが多いため、
 そのままQuarkXPress やAdobe inDesignにフォントで埋めて行くと、印刷時に
 微妙に画面どおりの結果が得られない事があり、最近は一旦文字をアウトライン化
 (文字を画像の情報として取り込む)する事も多いそうです。
 
  TrueTypeが出始めた頃、MacOSが標準で持っている日本語TrueTypeフォントが
 少ないのに、英字TrueTypeフォントの豊富さに羨ましさを感じましたが、
 最近のOSXに標準の日本語Opentypeフォントはなかなか豊富で、家庭や事務目的に
 使うだけなら、充分な種類があります。しかし少しでも印刷媒体(社内報でも)
 とする為には、やはり市販のOpenTypeフォントが欲しくなります。Mac OSXで
 標準フォントとして採用されているのはヒラギノフォントで、これは字游工房が
 開発し、大日本スクリーン製造が発売したフォントで、これはOSXにふさわしい
 大変クールな自体として評判がいいのですが、印刷の現場で最も多く使われている
 市販フォントは、「モリサワ」という会社のフォントシリーズです。
 
 Postscriptの頃から、市販フォントは大変高価なものであり、編集・製版・印刷
 関係では、こういう高価なフォントを使って印刷媒体を生み出してまいりました。
 中にはフォントを一本買って、コピーして全ての機器で使い回す様な著作権違反
 (フォントも立派な著作物で、例えばヒラギノはOSXのパッケージや新品Macを
 買う事により、私たちはこのフォントを正規に使える訳です)をしていたという
 話も聞く事があり、最近のフォントはそういう事ができない様厳しくプロテクト
 されています。フォント会社は、毎年一定会費を払ってもらい、全てのフォントを
 使え、新しいものが出れば無料アップデート出来る様な契約を用意しており、
 モリサワの場合は「MORISAWA PASSPORT」と言います。
 
 このたび、このMORISAWA PASSPORTに「MORISAWA PASSPORT ONE」という入門版が
 でました。これはインストール出来る機械を一台だけに限定し、あとは従来の
 MORISAWA PASSPORTと同じサービスが受けられるもので、価格を年間5万円と
 消費税だけという、魅力的な価格にしています。
 1年後の更新の時には、そのままでもいいですし、複数台で使用可能なプランに
 変更(価格は変わりますが)できるようで、小規模の出版物を作るオフィス、
 学校の先生、個人商店、その他チラシやレジュメ等が必要な事業所には
 「とりあえずやってみて、1年後考える。」というご提案になっています。
 
  ワープロ時代からすると隔世の感がある、個人DTPの世界ですが、比較的
 豊富なMac OSXの標準フォントでも、全く物足りなさを感じている方は
 編集・製版・印刷の専門職の方以外にも多いと思います。
 モリサワのほこる多種多様で出版物の性質にぴったり合うフォントが使い放題なら
 年間5万円と言うコストは全然ペイ出来る、と言う方にはおすすめです。
 
 ☆モリサワ「MORISAWA PASSPORT ONE」   ¥52,500(税込)
  モリサワの全てのフォントがPC1台につき1年間52,500円(税込)で利用ができる、
  年間ライセンスシステムです。毎年のアップグレードにより新書体も追加でお届けされる
  ほか、最新の環境への対応も含め、いつでも最新の快適なフォント環境が実現されます。
  「MORISAWA PASSPORT ONE」は、ご購入の際の手続きは一切不要です。
  (インストール時にご登録いただいたご住所宛に、後日モリサワよりライセンス証明書が
  郵送されます。ライセンス証明書に記載のライセンスキーによる正規認証登録で
  契約手続きがすべて完了いたします)
  まずは1年間ご利用いただいたあとで、通常のMORISAWA PASSPORTへ継続して移行する
  ことが可能なパッケージですので、すぐに使いたいときや、はじめてモリサワフォントを
  導入される際におすすめです。
 
 
 
 ———————————————————————————————————
 
               お願い
 
 メールの転送を指定している購読者さまへお願いです。
 転送先が無くなったり、未読がたまってあふれてたりしてませんか?
 メルマガを発行すると多くの転送エラーメールが弊社に届きます。
 お手数ですが一度見直しをお願いいたします。
 
 ———————————————————————————————————
       パソコンレスキュー はじめました
 
  Mac&Winのノートでハードディスクの容量が足らない!
 ノートパソコンのデータが読めなくなった!
 ウィルスにやられた!など、MacもWindowsもシトラスがなおします!
 多くのご要望にお応えしてWinでも「さすがシトラス」といわれる仕事をします!
 例えばディスクレスキューは¥15000から。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。
 
 ———————————————————————————————————
 
 シトラス「柑橘系林檎新報」は週1回を目標にお送りしています。
 バックナンバーをシトラスHPに掲載しました。また、お友達で配送御希望の方が
 いらっしゃいましたら、下記URLから登録が可能ですので、是非、教えてあげて
 ください!
 (メールマガジンの配布中止をご希望の方も、お手数ですが同じURLから
  お手続き願います。)
 
 
             株式会社やまきつ テクノポートシトラス
             http://www.yamakitsu.co.jp/
             TEL 052-979-6610  FAX 052-979-6615