Mac&Winのパソコンレスキューでおなじみの、シトラス プレゼンツ・・・
 ================================
 
  シトラスメールマガジン
 
 「柑橘系林檎新報」450 2011.10/7
 
 ================================ 
 
  今週のシトラス
 
 「早過ぎるな」と言うのが正直な感想です。
引退後の時間は、愛する家族と過ごす時間のはずでした。
AppleとPixer。
2つの会社の事をどんなにか心配していたでしょうが、
余生を静かに暮らす決意をし、Jobsは一線から去りました。
それからの時間、あまりにも短く、彼はこの世を去りました。
 
 このメールマガジンを読んでおられる方の多くはAppleの
ユーザーだと思いますが、そうでない方にとっても、彼の
恩恵を受けていない現代人はいません。
そもそも彼と、もう一人のスティーブがいなかったら、
コンピュータは会社で計算に使う、大型で高価なもののまま
だったかもしれません。
その後も、彼の手で生み出された製品が、あるべき未来を
示す、大切な指標でした。それはライバル会社にとっても、
です。
 
 これからAppleはどうなるのか?
Jobsの居なかった暗黒の時代を覚えている我々OLDユーザー
にとっては、一抹の不安がないではありません。
しかし、もうJobsは居ないのですから、Appleは自分たちで
未来を模索せねばなりません。
そしてユーザーは、常に自分たちを満足させてくれる製品を
作り続けるAppleを、今まで以上に支え続けるべきだと、
思います。
もう思い切り即物的に、Appleの株を買うのもいいんじゃ
ないかと思います。
かつてのCEOの経営が、どうも上手く行かなかったのは、
Jobs程のカリスマがなかったせいもあるでしょうが、
経営が行き詰まると、投資家の意志で身売り話が持ち上がる
ということを、繰り返していたからだと思います。
世界中のユーザー達が最大の株主である会社になれば、
CEOも思い切り腕を振るえるのではないでしょうか?
 
 今、ゲイツはどんな気持ちだろうな?と思います。
(思いっきり、寂しいってつぶやいてますね。)
マイクロソフトにとって、Appleは乗り越えなければならぬ
目標であり、米国独占禁止法上では絶対に必要なパートナー
(Appleのシェアが下がり過ぎれば、マイクロソフトは間違い
なく、分割命令を受けていた)であったはずです。
またアメリカのIT企業トップ全ての思いも深刻だと思います。
偉大なる先導者を失ったのですから。
これからアメリカ産業は、ますます力を失うかも知れない
のです。それは井深・盛田亡き後のソニーの零落が予言して
いる気がします。
 
 見方を変えれば、アメリカ以外の国のIT企業が台頭する
きっかけになるかも知れません。
Jobsとゲイツで造り上げて来たITの常識を破る、新しい製品が
突然現れる時代が到来しそうな気がします。
Appleユーザーとしてはその先頭をAppleが走って欲しい気が
しますが、Jobsが敷いてくれた、
「どんなに突拍子もないものでも、良いものであれば必ず
支持されて売れる。」という革新的な思想は残っていますので
それがインドの片田舎で生み出されても、それはJobsの子孫
たちなのです。
 
 最後にもう一度お礼を言いたい。
 
「スティーブ・ジョブスさん。本当にありがとう。あなたと
共に生きた時代は、最高にクールでハッピーでした。」
 
 
 ――――――――――――――――
 
  ナゴヤからの手紙  2011.10/7
 
「ヨサミからの手紙」
 
私の子供自分、東京の方のお話で、
「おばけ煙突」というのがありました。
何本か立っている工場の煙突が、見る場所によって本数が
違う、という様な本当の現象でした。名古屋にいる私には
そういうのはなくて、ちょっと残念な思いがしたのを覚えて
います。
少し大きくなって名古屋から東部を車で移動していた時に、
「なんだあれは?」というものを目撃しました。ライトが
チカチカまたたく塔が、何本も夜空に立っているのをみたの
です。
「あれは刈谷の電波塔だよ。米軍の施設なんだ。」大人に
聞きました。
 
ヨサミ送信所という、ちょっと沖縄っぽい感じの地名がついた
米軍の重要な電波施設の事は聞いたことがあったのですが、
あの変な塔がそれだとは思ってもいませんでした。
 
その後姉が結婚して刈谷に住む様になり、
時々その施設の姿を見ることになったのですが、250mの
鉄塔が、距離をおいて8本立っている姿は、かなり異様なもの
です。姉も、
「車で家に帰る時、あの塔を目標にするとまず間違えない。」
と言っていましたが、刈谷に市民にとっては、まさに
ランドマークであった訳です。
 
軍の施設ということで、秘密の部分もあるだろうと、特に
調べもしなかったのですが、この施設の歴史は古く、元々は
日本軍ではなくて、当時の逓信省(郵便マークのT字の元に
なった、かつての郵便・通信事業担当の役所)によって
作られた施設でありました。
 
大正の頃、当時ヨーロッパと通信するためには、欧米の会社が
提供する海底ケーブルを利用するしかなく、コストが大変に
かかり、日本の外交・貿易のハンデとなっていました。
当時すでに短波による無線通信が始まっていましたが、
技術的に高緯度のヨーロッパとの通信は難しく、長波による
通信の確立が急がれていました。
 
こうして愛知県三河の依佐美村に巨大な長波(正確には
超長波)の発信施設が建設されたのです。この発信施設は
ほとんど力技で、
1.巨大な発電施設を作る。
2.これを超長波の発信周波数(依佐美は17.442kHz)に変換。
3.周波数に合った長大なアンテナ(全長1km以上)から発信。
という発信専用施設でした。
受信の方はそれ程大掛かりな施設は必要無かったのです。
この発信は成功し、モールス信号による日本の対欧州通信は
飛躍的に便利になったのです。
巨大な8本の鉄塔はそれ自体はアンテナではなく、頂上に
張り渡された電線が周波数に対応したアンテナであった訳で、
だから大きな間隔で塔が立っていたのです。
近くに行ったことのない私は、なんとなく沖縄米軍の通称
「象の檻」の様な関係者以外の立ち入り禁止の施設を想像して
いましたが、実際には水田の中に鉄塔が立っていたわけです。
 
ところが、その後の無線・中継技術の進歩により、短波に
よるヨーロッパへの通信が可能になると、依佐美通信所でも
次第に短波通信が主流になって行きました。
超長波は、ヨーロッパと通信が出来る季節・時間帯に制限が
あったのです。
現在でも季節によっては北欧の中波帯ラジオ放送(高緯度地方
では波長の短い電波が使いにくい)が日本でも聞けるとか。
 
短波ならここでやらなくてもいい訳で、依佐美の長波送信所は
一時廃止も検討されたとのことです。
ところが、ここの使い道はまだありました。
お得意様は海軍でした。
超長波は、水中にも届くという特性があります。
第一次大戦中にドイツが軍事用潜水艦を実用化しました。
米国籍商船をドイツ潜水艦が攻撃して沈めたことが、アメリカ
の連合国参戦につながった事は高校の世界史でも学びました。
潜水艦は平時は浮上して基地と通信できますが、作戦時には
潜っておりますので、指令は超長波でしか送れません。
先日紹介した有川浩さんの短編
「くじらの彼」でも、数ヶ月も携帯メールでさえできない
(浮上した時さっと短いメールがくるだけ)超遠距離恋愛が
描かれていました。
日本もイ号系などの潜水艦を装備し始めていました(軍縮で
戦艦が作れないため、補助艦を増産したと、これも世界史に
ありました)。
 
太平洋戦争開戦の真珠湾攻撃(様々な不幸な手違いにより、
正式の宣戦布告がされる直前にフライングで行われ米国民の
怒りを買った)の有名な指令暗号、
「ニイタカヤマノボレ」は依佐美送信所から送られた、との
説が有力です。
 
戦後この施設は旧日本軍施設としてGHQからの解体命令が
出ましたが、直後に撤回され、米軍の施設として接収され
ました。
原因はソ連との冷戦の激化です。
アメリカは太平洋・日本海に多くの潜水艦を常備配置する
必要に迫られ、連絡用に超長波電波施設が必要になったの
です。
このため依佐美は日本における、ソ連の核攻撃目標の最上位と
されましたが、刈谷市民、及び愛知県民は知らずに戦後を
過ごしてきました。
 
1993年8月。米軍はこの施設からの送信を終了しました。
これは冷戦の終結が原因ではなく、超長波送信所が、長大な
施設であるため戦時に攻撃目標となりやすく、機能マヒすると
作戦に支障が出るため、航空機による海上での電波中継を
用いる事に変更されたためです。潜水艦のいる海域近くに
飛行機を飛ばせば、巨大な出力は不要なわけですからね。
現在ではさらに波長の長い極超長波、極極超長波も使用されて
いるようです。
こうして1994年に宇佐美送信所は日本に返還され、
1997年には鉄塔が解体されました。
 
ナゴヤ人にはたまに見る珍しい風景に過ぎませんでしたが、
刈谷市民には日常の風景が大きく変わるのですから、惜しむ
声もあったのでしょうが、250mの鉄塔の維持費用は大変な
ものでしょうから、この施設は使命を終わると共に姿を
消さざるを得ませんでした。
IEEE※は、この電気通信技術に関わる施設を顕彰し
「ランドマーク」に認定。刈谷市も施設のあった場所の一部を
「フローラルガーデンよさみ」として公園化しています。
先日姉の家に向かう途中に、
「あれが依佐美の鉄塔の跡だよ。」と教えてもらったので、
今日行ってきました。
ごく普通の巨大児童公園、といった趣の公園で、
安城のデンパークや名古屋港のブルーボネットに比べると、
全然気合が入っていません。
ちょっとオシャレっぽい喫茶店があります。この辺は
「名古屋市農業センター」の喫茶室に比べると超かっこいい。
ただ店員がやる気がなく、いかにもお役所仕事に感じました。
 
※IEEE(The Institute of Electeical and Electronic Engineers)
 米国電気電子学会は、NYに本拠地を置き、世界160カ国
 以上に395000人以上の会員を擁する技術者組織。様々な
 規格制定もしており、IEEE1394(Firewire)やIEEE802
 (無線LAN規格)で有名。電気・電子技術史上意義ある
 施設をランドマークとして認定している。
 
 お目当ての記念館は、残念ながら当時の建物ではありません
が、シーメンスの巨大発電機を始め、しっかり保存しており、
一見の価値はあります。
敷地内にある2号鉄塔は、解体時に基部と頂上部のみ残して、
「だるま落とし」的に中間が抜かれており、
高さは往時の1/10の25mです。
正直これだけでも250mのまま保存できひんかったんかなと
思いましたが、名古屋空港や自衛隊小牧基地・各務原基地への
航空路でもあり、無用な高い建造物は除去したかったので
しょう。
地デジタワーに使えばよかったのに…とは思いますが、重量のある
現在の送信部を支えるには脆弱なのでしょう。
基部はユニークな形状で、一番細くなっており、下部は丸い鉄球型の
ようです。子供が小さい時の鯉のぼりのポールを思い出しましたが、
ワイヤーでがっちり支えられた鉄塔は、強風に対しても基部で揺れを
逃がす工夫がされていたのですね。
竹の様な柔構造は、日本の発想なのでしょうか?
 
記念館の中の感想ノートには子供の字で
「フローラルガーデン楽しかったです。」
大人の字で、
「毎日見てきた思い出の鉄塔の記念施設を訪れて感慨深い。」との
記載が多く、
「鉄塔を知る・知らない世代」に刈谷市民がくっきり分けられている
事が面白かったです。
刈谷市はこの戦前の富国強兵時代、戦後の冷戦時代に翻弄された
施設を、大切な歴史遺産として守り育てて行くつもりのようですが、早速
「ミニSL終了のお知らせ」とか、なんともリーマンショック直撃!みたいな
兆候もありました。
私が刈谷市長なら、ここで花火大会をやるでしょう。
年に一度だけ、あの鉄塔を思い出す夜空のモニュメントの再現を。
 
 
 ――――――――――――――――
 
  シェフのオススメ
 
 「忘れ形見」
 
 iPhoneの新型が、発表されました。新CEOのクック氏の
基調講演が、服装もスタイルも、まんまJobsで、ちょっと
クスッとしましたが、スーツでやるよりAppleらしくていい。
誰もがiPhone5と信じて疑わなかったところに、
iPhone4sと言う、まるでiPhone3sの時と同じ展開。
この情報が発表まで漏れないAppleの体勢は相変わらず感心
します。紙上では
「5でない事への失望感」などと報道され、事実一時的に
株価が下がったようですが、外観が変わらないのに5を冠する
事をしないのは賢明かも知れません。
ハード面ではCPUがダブルコアになり超速くなった事、
前々から
「まあこれで充分じゃん。」と評されていたカメラ部が、
かなり改良されて日本のハイスペックカメラ付きガラケー
並みになったこと。特に
「HDR(ハイダイナミックレンジ)」つまり絞り値の違う
3枚を連続して撮り、合成するやり方。人間の顔も後ろの
風景も綺麗に撮れるという機能は、写メ好きな若い女性達にも
支持されそうな機能です。
 
 噂のau参入も実現。私にとってはぐっとiPhoneが近づき
今からそわそわしています(価格設定と、従来のezwebの
メールアドレスが引き続き使えるかがキモ)。
5が出るまで待つのも手ですが、おそらくハード面は4sと
あまり変わらないと予想出来るので、5が出ても悔しくない
予感がします。
 
 本当に困ったなあ…。
今携帯の月コストが2000円台後半。
iPhoneのau版が4000円位なら、なんとか使えるかな?
使い始めればパケット最低額じゃすまないだろうし。
困ったなあ…。
16GBモデルとiPod touch64GBモデルと2台持ち?
高めのモデルにして、iPodやデジカメを手放すか?
もうすぐ発表されるプランが楽しみで楽しみで
困ったなあ。
 
以下次回に(多分(笑))続く。
 
 
 ――――――――――――――――
 
 お願い
 
 メールの転送を指定している購読者さまへお願いです。
 転送先が無くなったり、未読がたまってあふれてたりしてませんか?
 メルマガを発行すると多くの転送エラーメールが弊社に届きます。
 お手数ですが一度見直しをお願いいたします。
 
 ――――――――――――――――
 
  パソコンレスキューはじめました
 
  Mac&Winのノートでハードディスクの容量が足らない!
 ノートパソコンのデータが読めなくなった!
 ウィルスにやられた!など、MacもWindowsもシトラスがなおします!
 多くのご要望にお応えしてWinでも「さすがシトラス」といわれる仕事をします!
 例えばディスクレスキューは¥15000から。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。
 
 ――――――――――――――――
 
 シトラス「柑橘系林檎新報」は週1回を目標にお送りしています。
 バックナンバーをシトラスHPに掲載しました。また、お友達で配送御希望の方が
 いらっしゃいましたら、下記URLから登録が可能ですので、是非、教えてあげて
 ください!
 (メールマガジンの配布中止をご希望の方も、お手数ですが同じURLから
  お手続き願います。)
 
 
 株式会社やまきつ
      テクノポートシトラス
 TEL 052-979-6610  FAX 052-979-6615