CITRUS Impression -01-

[ 2002年11月8日 ]


〜 Century社「ホワイトライト角マウス」 〜

 

●「愛らしい白い作品」

今朝宅配便が1個届いた。ふるえる手で開封する。 これだけ、どきどきした開封もひさしぶりだ。

「お…。これが…。」
出てきたのは、結構上品な白い箱。
「文太作って何?」*1
ふたを開けると
「続けると言うこと…。」というコピーが、まず目に入る。凝ってるなー。普通これほど外装やコピーに凝る製品は、あまり特徴がないので、そういう点でアピールしようと言う物が多いが、これは、特徴がない製品とは、誰も言わないだろう。
全国の、とてもコアだが熱狂的なMacintoshユーザーと、喜んでもらえる商品を扱いたいMacintosh関連のショップ達が、復活を願い続けた製品なのだ。

昨年「ブルーライト角マウス」という製品があった。機能的には、何の変哲もないUSB接続の光学式マウスながら、あえて1ボタンとし、Old Macファンが、かつて握りしめていたMacintosh角形マウスのフォルムを踏襲したデザインが、爆発的な人気を呼び、即完売するショップが続出した。*2

残念ながら、工程上の問題で歩留まりが悪く、大量に生産される前に市場から姿を消している。 その後、このメーカーの営業が各地のショップを回るたび、

「あれはもう、やらないんですか?」 と聞かれたという。

そういえば名古屋の某「シから始まるショップ*3」も(笑)、このメーカーに何か問い合わせがある度に、このマウスの復活をしつこく問い合わせていたらしい(笑)

工程を見直し、装いもiMacやiBookにマッチする白い洋服をまとって、ホワイトライト角マウスは登場した。 前作で一部指摘があった、隙間からほこりが入る可能性のある問題も、タイトな構造に改良されたそうである。

外箱や取り説にあふれる凝った仕掛けも、「このマウス復活にかけたメーカーの情熱」とむしろ受け取るべきだろう。

もちろん、このマウスがビニル袋1枚で売られていても、この良さは諸氏にはおわかりだと思うが、待ちに待った私には、この外装がうれしくてたまらないのである。

 

●本体の印象

【1】フロッグデザインを現代にリファイン

かつて、SE/30や、IIなどの名機を生み出したMacintoshのデザインコンセプトは極めて統一が取れていた。この時代のMacintoshは、フロッグデザインというデザイナー集団が作り出した工芸品なのである。もちろん角形マウスも、マウスなどという物がそもそもなかった他のコンピュータユーザーに羨望の目を向けさせた。この小さな入力デバイスを持っていると言うことは、すなわち革命的なコンピュータを所有していると言うことと、少なくとも自家用車1台分以上の金額をそれにつぎ込んでいることを示していた。

今回のマウスは、そのデザインコンセプトをかなり忠実に踏襲しながら、オリジナルにない「なめらかさ」を持っている。この辺のキープコンセプトは、例えば一時期の軽自動車がみんな英国のMiniの「なんちゃって(笑)」になってしまった様な哀しさはない。むしろビートルがニュービートルに進化したような感動を感じる。

マウスの上面にメーカーのマークが(あまり目立たぬよう遠慮がちに)記されているが、仮にここへ林檎のマークが入っていても、少しもおかしくない出来映えと思える。

【2】カラーは現行Macintoshのどれも犯さない

ホワイトマウスということで、iMacやiBookにマッチすることは当然だが、PowerBookG4のチタニアンな外殻とも意外にマッチする。PowerMacにも全く違和感が無い。これは、iBookの様なポリカーボネイトホワイトの上に、透明素材の外殻をまとっているために、角度によって、金属的な光沢を放つ事があるためだと思う。

【3】白色光の美しさ

これは好きずきかも知れない。「ブルーライト角マウス」の青色、純正マウスの赤色に比べて、技術上のメリットがあるかも私は知らない。とにかく今まで見たことがない感覚である。白色光というと普通透明の光を指すが、裏面の乳白色プラスチックが一緒に光るので、これはなんだか光に白い色がついているみたいなのだ(そんなはず無いけど(笑))。夜間フライトの座席で、iBookにつないで手元の確認灯ぐらいには使えそうだ。

 

 


●ホワイトライト角マウスの製品写真、及びパッケージ
 



●『Apple角マウス』と呼ばれ親しまれている、かつてのApple純正のマウス『Apple Desktop Bus Mouse -I』と並べてみた。 ホワイトライト角マウスが、全体的なフォルムや大きさを踏襲していることがよくわかる。

 


●写真一番左側にホワイトライト角マウスを配して、Apple歴代のマウスを並べてみた。
Apple純正のマウスは、角マウス(ADB Mouse-I) →丸マウス(ADB Mouse-II) →円形スケルトンマウス(USB Mouse) →楕円型クリアマウス(Pro Mouse) と変化を遂げてきた。 マウスの好みは人それぞれだが、角マウスの使用感を好むユーザーの声は多かった。 角マウスより後には似た形状のマウスが純正では出てきていないのだ。

 



●マウス底面から光るピュアホワイトのLEDがちょっとお洒落だ。 マウスを持ち上げたときの重量バランスも非常によく研究されており、Apple純正の角マウス好きな人は思わずニヤリとすること間違いなし。



●ブルーライト角マウスと並べてみた。 基本的にほぼ同型の製品であるがホワイトライト角マウスにくらべクリックボタンのサイズが一回り小さく、重量も少し軽い。(もちろんLEDの色はブルーである) 前モデルであるブルーライト角マウスを買いそびれてしまい悔しがっていた人達にも、このホワイトライト角マウスは嬉しい製品だ(笑)


*1

文太さんというのは開発者のお名前だそうです。

*2

筆者もブルーライト角マウスを買い逃してしまった1人である(笑)

*3

2文字目が「ト」。 ……って、なんで伏せる必要が?(汗)


お二人の方に感想をお聞きした。

Tさん(イラレ使いのグラフィック業)

光学式マウスは、ボール式に比べてメカがない分だけ、軽くなるはずなんです。ところが、このマウスは重さが僕の愛用している『Apple純正白玉角マウス(USA版)』と、ほとんど変わりないんですよね(重量135g。本家Apple純正の角マウス(USA版)は145g)。 この重さが確実な動きを生むと思うんです。 それから持ちあげた時の重量バランスが、Appleの角マウスとほとんど変わらないんですね。 つまらないこだわりなのかも知れませんが、長年このタイプのマウスを使い続けてきた僕にはとても重要な事なんです。 新しいマウスを買うとしたら、これしか無いですね。

Sさん(現役ばりばりWebObjectエンジニア)

良いマウスだと思うけど、私には1ボタンマウスはもう使いにくいですね。Mac OS Xがサポートしている2ボタンの機能が、最近とても手放せなくなっているんですよ。「ブルーライト」の時には1個欲しいと思ったんですが、その間にMac OS Xの熟成がそれだけ進んだということでしょう。私が今買うなら、KENSINGTONの「StudioMouse」の方がいいですね。でも伝統的な1ボタンマウスのシンプルな操作を愛する人々にとっては、現行の純正マウスよりははるかに良い選択でしょう。

さすがに、マウスにこだわりを持つお2人の発言である。

「この時期に1ボタン!」と「この時期に1ボタン?」の2つの声があるのは、当たり前の事なのかも知れない。


いずれにしても、Macintoshユーザーと、メーカーと、ディーラーが一体になって長い間願い続けて結実した、掌中の珠のような愛らしいマウスに、私は大きな花束を捧げたい。

白い天才マウス(アルジャーノン)に……。


(このインプレッションは、(株)センチュリー様のご厚意でお借りした評価用プロトタイプによるものです。実際に販売される物とは、外装・外観・重量・寸法・機能などが異なる可能性があるかもしれません。)

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