CITRUS Impression -02-

[ 2003年2月7日 ]


〜 Griffin Technology社「PowerWave」 〜

 

●「こんな人々にPowerWaveはオススメ」

ケエス1
ああ…今日も疲れたぁー。アパートへ帰っても、誰かが待ってるわけでなし、か。さて、鞄からPowerBookを出して、ADSLに接続して…と。会社でも使ってるけど、こたつでMacには本当に最適だなー。さてと、寝るにはまだ間があるし、iTunes-Radioで音楽でも聴こ。今日はSmoothJazz.comにするか…。一杯やって、読みかけの京極夏彦でも読んで、と。「こいつ」にしてから、音が良いんで、テレビとかラジオとか全然要らなくなった。

ケエス2
私の書斎…。といっても、元々子供部屋だった4畳半だが、ここで復刻版のプラモを作るのが私の休日。「ビックリマンシール」なんかが貼ってある、東京に就職した息子の学習机が、私の作業机だ。メールやWEBもやるので、以前リビングで現役だったボンダイのiMacを置いてある。この間まで息子のお古のラジカセもあったが、「これ」を付けたら、iMacが高級オーディオみたいになってしまった。あんまり大きな音も出すとご近所迷惑だし、プラモ作る手元で、いい音が鳴ってくれるので、集中出来て良いなあ。

ケエス3
けしからんのだ!「iPodと言えば、Appleの売れっ子じゃないか。DELLのサイトでさえ売ってるほど、良い製品なのに、Appleは、なぜそれに接続する良質なオーディオシステムを用意しないんだ。」と、いつもの不満を言ったら、奴に鼻で笑われた。「おまえシトラスのメルマガ読んでないの?」だと。なんでもiPodに「ぴったりなシステム」があるらしい。家に帰ったら、メールボックスチェックしよう。

ケエス4
アタシの一番のお気に入りはiMacくん。彼氏に相談したら、「絶対Macにしな。簡単だから。」て言うんで、去年買ったんだけど、なんか、お供え餅みたいでかわいいの。でも、この子でDVDとかCD再生すると、ちょっと寂しいんだよね。友達んちのダサイPCなんかよりは、全然いい音なんだけどさ。

でも、なんか低音が無くって、アタシ、ベースの音とかがズンズン来なきゃヤな人なのね。んで、***電器でスピーカー買ってきたの。5千円ぐらいの、低音用とちっちゃい高音用が、2つ付いてる、イヤホン端子からつなぐ奴。確かに、ベースは出るんだけど、あゆの声がカワイクないっ! やっぱ音は、iMacくんに付いてる目玉親父のほうがいいっ!誰か、目玉親父も鳴らして「低音が出る方法」…教えてっ!

 

――以上4つのケエス*1をご紹介いたしました。

最初のお二人は「こいつ」「これ」で満足しておられるケエス。あとのお二人には「ぴったりなシステム」「低音が出る方法」をお教え致します。

 

●「サウンドのスイスアーミーナイフ」

アーミーナイフって…?

スイスアーミーナイフとは、スイス陸軍が採用し、世界中で愛用されている、赤い地に白十字が付いたナイフです。刃だけではなく、はさみ、錐、栓抜き、缶切り、ノコギリやコルク抜き!など、様々な機能があります。様々に使えるナイフで、逆に切れないナイフを「スイスネービーナイフ(スイスには海軍が無いから)」なんていうギャグもあります。

日本では「十徳ナイフ*2」という感じですね。メーカーのGriffin社はPowerWaveを「サウンドのスイスアーミーナイフ」と呼んでいます。

 

 


●PowerWaveとAppleProSpeakerの2ショット。 ご覧のようにPowerWaveは寸法的にとてもコンパクトにまとまっている。 PowerWave本体左側の円形の窓からはブルーのLEDランプが光る。
 



●往年の名機 初代iMacをセッティングしてみた。 家庭内Macの最前線から退いてしまったiMacをiTuneなどを使ってミュージックマシンに仕立ててしまうのも良いのではないだろうか?

もちろん、まだまだこのiMacを現役使用している方々も多いでしょう。iMacの音質をさらに躍進させるのはいかがだろう。 


●写真の中央付近からOUT PUT端子(赤と白のコネクタでケーブルを繋いでいるところ)から、アンプ内蔵ウーファーへ繋いでみた。 PowerWaveがあればこんな感じでApple Pro Speakerの他に“重低音”を補うことが出来る。

 



●おまけ的ではあるが、さらなるサウンドマシンへ特化すべく、同じGriffin Technology社のPowerMateを実験的に組み込んでみた。 iTuneの音量や曲送りなどを設定してみたら、思った以上に便利になった。 かなりオススメ度の高い組み合わせといえる。


*1

ケースじゃなくてケエス? 筆者は最近になって京極夏彦さんの作品にハマっておられます。 なのでこの表記だそうな(笑)

*2

十徳ナイフっていう呼び方は、イマドキの方には通用するんでしょうか?…とか


PowerWave本体にある端子およびスイッチ類

1) USB-Bタイプ端子(Mac、PCとのUSBオーディオ信号接続用)
2) USB-Aタイプ端子(他のUSB機器接続用のハブ)
3) RCA Pin端子入力用(L,R)
4) RCA Pin端子出力用(L,R)
5) ヘッドフォンMini出力端子
6) ステレオマイクMini入力端子
7) AppleProSpeaker用ミニ出力端子
8) ゲインスイッチ(アナログ入力時のLINEレベル、MICレベル切換)
9) スルースイッチ(入力信号をそのまま出力)
10) DC入力端子

例えば、ケエス1、2の方はPowerBook、iMacのUSB端子からPowerWaveに接続。AppleProSpeakerから出しておられると思います。この場合ケエス4の方の様に低音不足を感じられる方は、4)の出力端子に低音用アンプ内蔵スピーカーを接続するだけで、全く快適な音のバランスになります。

ケエス4の方が量販電気店で買われたような3スピーカーシステムのウーファ(低域用)部分だけで全く問題なく使えます。iMacなどの美観を損ねたく無い場合は、低域には指向性がほとんどありませんので、机の下などに置いてしまって問題ありません。AppleProSpeakerだけをお近くに置いて頂ければ、小音量でも十分な音のバランスです。この辺は、さすがにHarmanCardon社の設計したスピーカーだと思います。

ケエス3の方のためには、ステレオミニジャック←→RCA Pin端子(L,R)の変換ケーブル(付属)を使って3)に送り込めば入力できます。この場合は、9)のスルースイッチをオンにします。このスルースイッチはUSB入力から音声が来ていても効きますので、2つの音声が混ざり合うことになります。USBから音楽、マイク端子からナレーション、と言うことも可能ですね。ただし本体には一切音量調節するものがありませんので、ソース段階で調節する必要があります。


PowerWaveの付属品

A)AC>DCアダプター
B)ステレオミニジャック<>RCA Pin端子(L,R)の変換ケーブル(約1.7m)
C)ステレオミニジャック<>RCA Pinメス端子(L,R)の変換ケーブル(約8cm)
D)AppleProSpeaker用ミニ出力端子をアナログのステレオスピーカーに接続できるアダプター
E)サンプルソフトCD

特にインストールが必要なドライバ等はありません。メーカーはMacOS9.1以上で使えると言っていますが、USBオーディオは、コントロールパネルの「サウンド」で左右音量調節が出来ない場合があるなど、多少バギーな感じがしました。MacOSXでの使用が特におすすめです。

USBオーディオ入出力に関しては、同じGriffinの「iMic」と同じ機能を持っています。つまりMacのUSBから出力しながら、MacのUSBに入力することは出来ません。 音質はこちらの方が向上しているように思います。接触が安定しているPin端子を持つと言う点も、iMicに対するアドバンスです。


音について・・・

これは、好みの問題ですので、インプレッションは大変難しいです。嫌なノイズは全く乗りません。メールマガジンでも書きましたが、このAppleProSpeakerはこんなに小さなサイズながら、中高域の音の張り出しと弦やボーカルのつやには、もともと大変優れたものがあります。ノラ・ジョーンズのボーカルなんて良いんですよ、艶っぽくて。結局、低域が無いばっかりに、より素性に劣る他のスピーカシステムに置き換えられて(ケエス4の方の様に)iMacG4の元箱の片隅で泣いているAppleProSpeakerは、結構あるのではないでしょうか?HarmanCardon社の傑作を眠らせるのは勿体ないです。低域はそれほど人間の耳に違いを感じさせませんので、安いアンプ内蔵ウーファでも十分です。ベースの音、バスドラの音を それらしく聞かせる倍音は、全てApple Pro Speakerがすでに出しています。

後はPowerWaveを使って、Pin出力端子からアンプ内蔵ウーファを接続し、何Hzという超低音を付加するだけです。iPodから、Pin入力端子を使ったMP3音声再生も試しましたが、こちらも立派なものです。約1.7mのケーブルがありますので、デスクの上は、iPodとApple Pro Speakerだけ、という置き方も可能です。美しいでしょ?

アンプの音量ですが、一般家庭で使うには十分です。デジタルアンプだけあって、音量の大小で音のキャラクターが変わることも少ないですし、最大音量でもほとんど歪みがありません。

モアベターな使い方

適当なMac(ケエス2の方の様に初代iMacでOK)にiTuneを仕込み、手持ちのCDを片っ端からMP3化。手持ちのアナログレコードも PowerWaveのPin入力端子からUSBで取り込んで、AIFF>MP3化。PowerWave、AppleProSpeaker、アンプ内蔵ウ ーファでおしゃれなジュークボックス出現!

同じ Griffin社の「PowerMate 」を接続して、ダイヤルを音量に、押しながらのダイヤルを選曲に設定すれば…。 便利この上なしですね。

ちょっと…な点

PowerWaveの電源オン/オフ時に「プツッ」と言ってコーンが動きます。 この程度のノイズでスピーカーが悪くなる事もまず無く、昔のアンプでは当たり前だったのですが精神衛生上悪いとかで、ある時期から日本のアンプはリレーをかますなどして、これが出ないようにしています。 このアンプはこれが出ます。 デジタルアンプと言うことで、あるいは仕方ないのかもしれません。

かなりトホホな点

テスト中、大変な事に気が付きました。PowerWaveの端子類のうち、アナログ系のRCA Pin端子。入出力とももちろんステレオなのですが、なんと、USBデジタルオーディオとL,Rが逆になってしまっています。普通白がL,赤がRなのですが、これが実は逆!「Left」,「Right」のレタリングも逆です。(接続をL,R入れ替えてしまえば良いわけではありますが…)

つまりMacのUSB端子からの入出力信号が、Pin端子からは逆に出入力されるわけで、これはちょっと問題です。恐らく設計・基盤レベルのミスだと思われますので、大きなロット変更がない限りこのままだと思います。 どのような接続の場合でも、9なら「コントロールパネル」Xなら「システム環境設定」の「サウンド」でL,Rの音量を変えてみて、現実のL,Rと反対になっていないか確かめて見て下さい。幸い、ヘッドフォン端子は間違っていませんでした。

Pin端子なら、入れ替えれば済みますが、ヘッドフォンは左右の形状が異なっているものもありますので、もしヘッドフォンもなら、メーカーに返品しようかと思いましたが、その点は大丈夫でしたので、このまま「おことわり付き」で販売致します。この問題を直した新しいロットが出るまでに、最悪「半年お待ち下さい。」なんて言うには、あまりにもこのセットはいい音なので、一刻も速く皆様にお届けしたいのです。それにしても、このミスは日本のメーカーなら考えられない事で、まぁ「アメリカ人のおおらかさ。」とでもしておきましょうか(苦笑)。


と言うわけで、まとめです。

HarmanCardon社の技術の結集されたAppleProSpeakerの真の実力を引き出すため、そして、Macへの録音、他のMDやPAなどへの高音質な出力のため、「サウンドのスイスアーミーナイフ」PowerWaveは価格以上の内容を持っています。

ずいぶん長いインプレッションになりましたが、一言で言えば「いい音ですよ〜。」と言うことですね。


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