Mac&Winのパソコンレスキューでおなじみの、シトラス プレゼンツ・・・
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  シトラスメールマガジン「柑橘系林檎新報」 176
                          2005.11/6
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             今週のシトラス
 
  11月になりました。近所の家がもうクリスマスイルミネーションを付けています。
 ちょと気が早いなあと思いますね。どうせなら、もう一年中やれば良いのに(笑)。
 
  こういうお宅には、誠に残念な結果になりましたが、今年のクリスマスは中止の様です。
 「クリスマス 中止」で検索すると、詳細が判りますが。
 
  こういうブラックなユーモアは嫌いではありませんが(大好き(笑))、
 現実的にはのんびりクリスマスが過ごせる平和な日本で、いつまでもあり続けて欲しいと思います。
     
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             ナゴヤからの手紙 2005.11/6
 
               「懐かしい名店」
 
  先号で、名古屋のカレーのお話をしましたところ、読者の方からメールをいただきました。
 「サンライン」とか「トリオ」とか、なつかしいカレー屋さんの思い出をいただきました。
 確かに昔のカレーには、結構とろみが少なく、スープカレーに近いのもありましたよね。
 カレーと言えば、桜山に「市民堂」と言う、カレーが異常に安いお店がありました。
 コーヒーと同じ値段でした。今なら350円ってことかな。ここもお年寄りがやっていました。
 
  あと、先号の「シェフのおすすめ」に出て来たケーキ屋さんは、いくつかのお店をモデルにして
 いますが、「バニラなんかでごまかしていないカスタードのシュークリーム」は、残念ながら
 もう廃業されましたが、市立大学病院南の「あかずきん」というお店のものでした。
 ここのシュークリームの味を求めて、今もさまよっておりますが、最近は自分で作った方が
 早いのでは?などと思っています。
 
  メールをいただいた方は、「清明山飯店」もご存知でしたが、この清明山飯店こそ、名古屋の、
 いや、おそらく中華街関係も含めて、日本の最高峰にある中華料理店だったと言い切る名古屋人は
 多いのです。ここの店主の口癖は、
 「おれは何も特別な事をしていない。中華の料理人なら当然するべき事をしているだけ。」
 閉店の理由が「体力の限界」であった事は前回で紹介しましたが、週一回の休日は、ほぼ丸一日
 食材の仕込みに費やされ、体が保たないので週休二日にしたが、体力の衰えから、昔なら一日で
 終わった仕込みが二日かかる様になった。これ以上休むと、わざわざ来て下さるお客さんに
 迷惑がかかる。というのが、店主の閉店の理由でした。
 
  この店はカウンターだけ、15人位で一杯になるのですが、注文を受けた順番に作って行くので、
 開店前から並んで、最後に席に着くと、大体1時間程度店内で待つ事になります。何組かの客の
 注文が同じ料理であっても、まとめて作る事をしません。一つ一つの料理が終わるたびに中華鍋を
 洗い清めて、次に取りかかる。その所作は全く無駄がない。メニューはカウンターの上に、短冊で
 ずらっと。まあ常時50種類以上はあったと思います。しかも一人1000円位で充分楽しめたのです。
 
  私はお昼に行った時、何気なく入って来たタクシーの運転手が、はじめてだったらしく、並んだ
 メニューには目もくれず
 「ラーメン」(この店の麺類は何種類かありましたが、ラーメンを頼む人はまずありませんでした。)
 と言って、マンガ雑誌に読みふけっていた事を思い出します。
 店主は黙って素晴らしい手際で、ごく普通のラーメンを作り、カウンターに置く。
 運転手はマンガ雑誌から目を離さず、ラーメンを二口三口・・・。
 突然雑誌を勢いよく置いて、猛然とラーメンを一気に食べ始めたのを目撃した事があります。
 
  引退後は、後輩の指導に回ったり(「当たり前のこと」をサボる料理人が多いと嘆いていました)
 前から引き受けていた、ある産婦人科の「出産直後のお母さんに食べてもらう料理を作る」という
 仕事は続けると言っておられました。
 もうあの人の料理を普通にお店で食べる事は出来ないのでしょうか?何か情報をお持ちの方は、
 お知らせいただければ幸いです。今更(というか・・・(笑))妊婦にもなれませんし。
 
  さて、先日PB2400の頃のデータCDRを整理しておりましたら、このお店についての拙文がでて参り
 ました。「フードライターになりたいな。」などと思った事があって、ちょっと気合いを入れて
 書いたものですが、持ち込み先など判りませんので、結局日の目を見なかったものです。
 今読んでみると恥ずかしいですが、大切に思っていたお店を喪った哀しみは出ていると思います。
 僭越ながら、今回のコラムの最後にご紹介させていただきます。
 
               「最後の料理」
 
   「では、りんごの飴だきを作ってフィニッシュにしたいと思います。」
 いつもその日の終わりにはフィニッシュと言う言葉を使う主人だが、この日の意味が
 違うことは、皆判っていたので、ちょっと緊張した。
 主人はりんごを切り、鍋を熱した。客達は口々に思い出を語りながら、目は一心に
 主人の手業を見つめていた。芋の時より小さめに切られたりんごは、粉をつけられ、
 新しい油を注がれた鍋に入れられた。さっと揚げると、一旦油を切って別のところに
 置く。鍋の油の分量を減らし、砂糖を鍋にあけて熟練の技で飴を作り上げていく。
 その間、長年のコンビである奥さんに、短く
 「ゴマを」
 「水用意して」
 と短い言葉を発するが、もちろん奥さんはすでにその用意が出来ている。窓を開けて
 室温を調節し、鍋にりんごを戻して、からめる。
 「ズコズコズコ」リズミカルな腕の動き・・・。
 明日からもう見ることが出来ない。
 70才にあと1年を残した主人の白衣の背中は、小柄だが決して曲がっていない。
 重い中華鍋を支え、火を操ってきた主人の背中は「まだ俺はやれるぜ」と語っていた。
 しかし、同時に色々な筋肉が「もう疲れた。潮時だ。」とも語っているのだろう。
 主人のみが知るところだ。
 奥さんが
 「やり方知ってるよね」
 とコップを渡す。最初に食べたとき、私はこの水を飲んでしまって笑われた。
 皿に盛り分けられたりんごの飴だきを一気にコップの水に浸ける。
 こうして客自身がこの料理を完成させるのだ。
  「これはね、紅玉でないとうまくいかないの。りんごは熱を加えると、
 味が弱くなるからね。今の甘いだけのりんごでは出来ない。」
 なるほど、小さいとき母が作ってくれた焼きりんごと同じ、酸味のあるまろやかな味と、
 外側の飴が最高のバランスになっている。
  私と同じ様な最近のファンと思われる女性の2人連れは、この一連の仕事を、
 まるで大好きなスターのリサイタルに行ったようにうっとりと見つめていた。
  3人連れの中年男の客は、30年も前に大学の寮生だったとき、当時ご飯食べ放題だった
 この店に足繁く通った人たちらしい。中には今日のために遠方から駆けつけた人も
 いたようだ。
 「あのころは、1升の米がすぐ無くなって、慌てて炊いたものだ。」と主人が言うと、
 「今はもう、少食になってしまってね。」と懐かしんでいた。
 しかし、昼ももっと大勢で来ていたらしい彼らのグループは、実に20品以上を
 味わっていったようだ。私より年長で、私同様に医師から大食いを止められているに
 決まっている世代の彼らが、今日は思い切り、昔のように、いや、昔は高価で食べること
 の出来なかった料理まで、食べ・飲んだのだろう。
  もう一人の客は紹興酒で酔いつぶれてカウンターにつっぷしていた。
 そこに居た客の全て、いや、店を閉めることがわかってからのこの二ヶ月というもの、
 続々と駆けつけたファンの全ての思いが、とりわけこの客の悲しい背中に
 代表されているような気がした。
  「感無量だよ。かあちゃんと今日のかたづけしながら、泣いてしまうかもしれないな。」
 遠い雪国の訛りがわずかに残る主人は湯を入れて煮立て、丁寧に清めた中華鍋を
 静かに置いた。
                (おわり)
 
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              シェフのおすすめ
 
              「デジイチな皆様へ」
 
  外国人から見た日本人の典型は、眼鏡をかけ、カメラであちこち撮影してまわる、という感じ
 だと聞いております。私がアメリカに行ったとき、まさにそんな感じだったな、と苦笑します。
 幕末に写真が入って行きたとき、最初にそのとりこになった人の中に15代将軍、徳川慶喜もおりました。
 恐らく毎日が胃が痛くなる様な、倒幕の時代に最高責任者としてソフトランディングに成功した
 慶喜にとって、明治になってからの余命は写真を始めとする趣味の時間でした。徳川公爵、貴族院議長
 といった名誉職よりも、彼は写真師として生きたかったと言われています。
 
  戦後、それまではお金持ちの道楽だった写真は、急速に庶民に広がって行きました。
 日本は一眼レフへの道を選び、成功しました。現在の若者がコンピュータを趣味に選ぶ様に、40年前の
 若者は一眼レフを求めました。ニコンF、キャノンF1と言ったプロ機のインプレッションに目を輝かせ
 ながら、ニコン、キャノンの普及機やペンタックスSP、オリンパスOM1といった機種で写真を撮りました。
 一眼レフが日本人に受け入れられたのは、「見たままに写る」というポリシーがシンプルで納得しやすい
 ということだと思います。
 現在のコンパクトデジタルカメラが日本人に受け入れられているのが、液晶画面で確認しながら撮影が
 出来るからという事と、類似していると思います。
 
  本当にいつの時代も日本人は写真好き。これは今の若者たちの「写メ」にもうけつがれていますね。
 さてコンパクトデジカメ全盛の中で、一眼レフは恐竜の様に滅んで行くかと思いきや、現在は特に普及
 価格帯の一眼レフデジカメが、大いに売れている様です。フィルムにあたるCCDの解像度は、すでに
 コンパクトデジカメでも600万画素が当たり前になりましたが、その素子の面積が小さいのです。
 プロ用一眼デジカメの「フルサイズ(35mmフィルム1コマとほぼ同じ)」にはかないませんが、普及機の
 CCDは「APSサイズ」です。これはコンパクト機に比べると大きな違いと言えます。出来上がりを見れば
 一目瞭然とでしょう。
 
  コンパクトデジカメは液晶を覗くため(一応ほとんどの機種に素通しのファインダーがありますが
 一般の人には盲腸の様に思われています。観光地でデジカメのファインダーを覗いて撮ろうとして、
 子供たちに大笑いされていたおじさんがおりました。おじさん、あなたの方が正しいよ。)、どうしても
 カメラを体から離して撮らざるを得ず、腕力のない女子供には不安定な構え方になります。せめて肘を
 体側に付けて撮ると言いのですが、ギャル(死語(笑))の撮り方は、肘を真っすぐ伸ばして、肘は少し
 内側な感じですね。揺れますね。手ぶれ防止機能が必要な訳です。
 一眼デジカメは
 ○ファインダーを覗くので自然にカメラが体に近づく。肘もつく。
 ○左手でズーム操作のためレンズを掴むため縦方向に安定。
 ○重くてでかいので、しっかり掴む。という三重のぶれない効果に、
 明るい大径レンズ、広いCCDで、「さすが高かったけどいいねえ」と素人にも判る写真がとれます。
 
  今の所泣き所というか、悩みの種は記録メディアの値段。もちろんフィルムの値段や現像代を考えると
 多少高いメディアを買っても元は取れますが、やはりまる一日の撮影や、2泊3日なんて事になると、
 メディアは一杯になります。銀塩からデジカメに移行すると、取り方が全く変わって行く自分に気づき
 愕然とします。初心者時代にあれだけ自分を戒めていた「撮りまくり」地蔵状態に突入してしまう自分に
 気がつくのです。フィルムの時は、このモードになると、必ず手持ちのフィルムが足らなくなり、最高の
 チャンスを逃して悔しい思いをするのですが、その失敗を経て「本当に決定的瞬間だけを撮る」という
 事を学ぶのです。ところがデジカメは撮れる枚数がもともと多いし、失敗したら破棄すればいいという
 気楽さから、ばちばち撮ってしまいます。いかにキャパが大きいとは言え、手持ちメディアはどんどん
 足りなくなります。追加が増えるたび5000円から2-30000円という出費は結構痛いものがあります。
 宿泊すれば、ノートパソコンに移してメディアを空にして翌日という手もありますが、器材はなるべく
 軽くしたいもの。特に銀塩一眼で青春を明け暮れた世代は、そろそろ巨大な「生命維持装置」を背負って
 の移動は腰に堪えます。
 
  今回ご紹介の周辺機器は、基本的には「USB2.0準拠2.5インチ外付けハードディスクケース」。
 お好きな容量の2.5インチベアドライブを内蔵すれば、基本的にはUSB2.0接続の外付けドライブになります。
 私は、自分のiBookと同じ40GBのドライブを入れて、丸ごとバックアップをしてしまおうかなと思います。
 沢山の枚数を撮影しそうな時だけこれを空にして、デジカメ用に使うと言う訳。普通の外付けケースより
 少し割高ですが、付加価値を考えると目くじらを立てる程の差ではありません。
 この製品はUSB2.0の拡張規格である「USB/OTG(ON-THE-GO)」に準拠した機器との間では単体で使えます。
 どんな機種でどんな事が出来るかは、また経過報告していくつもりですが、
 とりあえずデジイチをお使いの方には、「朗報」と言っていい製品ではないでしょうか?
 
 ☆デジタルカメラ パートナー プルーフ KOTG-25  ¥5,040(税込)
 
  通常のUSB外付けケースとしてお使いになれるだけでなく、OTG(On-The-Go)機能でPCを使わずに、
  デジタルカメラ、MP3プレーヤーなど様々なUSB装置から直接データをコピー出来る
  ハードディスクケースです! 旅行先などでデジタルカメラのメモリーを気にする事無く写真撮影を
  したい貴方のパートナーにどうぞ。(高さ9.5mmまでの2.5インチIDEハードディスクを内蔵してください)
  単三電池4本(別売)で本体を駆動する事が出来ますので、デジタルカメラとこれだけを持って撮影に
  出かける事が出来ます。 撮影旅行などで、高価な大容量メディアを何枚も持っていく事が
  必要なくなりました。デジタルカメラ以外にも、USB接続でき、PC等にデータを送れる形式の
  周辺機器ならば、同様にバックアップが可能です。 Windows98SE/ME/2000/XP, Mac OS9.2以降に対応。
 
 
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       パソコンレスキュー はじめました
 
  Mac&Winのノートでハードディスクの容量が足らない!
 ノートパソコンのデータが読めなくなった!
 ウィルスにやられた!など、MacもWindowsもシトラスがなおします!
 多くのご要望にお応えしてWinでも「さすがシトラス」といわれる仕事をします!
 例えばディスクレスキューは¥15000から。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。
 
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 バックナンバーをシトラスHPに掲載しました。また、お友達で配送御希望の方が
 いらっしゃいましたら、下記URLから登録が可能ですので、是非、教えてあげて
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